高知の2支援事業所、食品安全国際規格を障がい者施設で国内初取得

社会的自立を目指す障がい者の就労を支援する、高知県内の2事業所が、食品安全に関する国際規格としてひろく知られる「FSSC22000（食品安全マネジメントシステム）」の認証を、障がい者施設としては国内で初めて取得した。高知県内では取得自体初めてで、他に例がないといい、注目を集めるものとなっている。

この国際規格認証を取得したのは、安芸市の社会福祉法人「安芸市身体障害者福祉会」が運営するスイーツハウス「Miraie」（ミライエ）と、土佐市にある社会福祉法人「太陽福祉会」の「第2太陽福祉園」。「Miraie」は就労継続支援A型事業所、「第2太陽福祉園」は就労継続支援B型事業所にあたる。

「FSSC22000」は、オランダの食品安全認証財団が開発し、日米などの大手小売業者で組織される非営利団体の国際食品安全イニシアチブ（GFSI）が制定・承認したベンチマーク規格。食品安全マネジメントシステムの国際規格である「ISO22000」と、それを発展させた「ISO／TS22002－1」を統合したもので、国内はもちろん世界の小売業者やメーカーに対し、高水準の食品安全要求に応えることができると示すことが可能で、厚い信頼を得ることができるほか、競争力の強化、企業や事業所としての価値向上などが図れるとされている。

「Miraie」と「第2太陽福祉園」では、この認証取得を目指して、共同で専門のコンサルタントを招き、月2回の勉強会を行ってきたという。求められる衛生管理の方法や温度管理や清掃の記録作成法などを学んで、出荷手順までをマニュアル化。作業する障がい者らと職員でその遵守徹底に努め、8月より開始された審査を経て、去る9月30日に認証を取得することができたそうだ。

取得によって、事業所で生産する食品の安心・安全、品質の高さを明確に示し、保証することができるようになったほか、働く障がい者らの自信につながり、一般企業への就労を目指す上でのスキルを向上させることもできたという。

「Miraie」は「ミライエファクトリー」で障がい者とパティシエら職員が洋菓子などの製造販売にあたっており、認証はゆず茶と主力商品のバウムクーヘンをはじめとする焼き菓子3種の加工で取得した。商品はファクトリーで直売するほか、香南市にある「スイーツハウス ミライエ」で販売している。「ミライエファーム」でイチゴ栽培も手がけており、こちらのファームでも障がい者が働いている。

「第2太陽福祉園」では、知的障がい者らが中心となって野菜の食品加工などを行っており、地元産のネギを使った4種のドレッシング加工で認証を受けた。福祉施設としては国内でもいち早く水耕栽培に取り組みはじめ、育てられた野菜やきのこでも好評を得ている。




Miraie　ホームページ
http://www.miraie.net/index.html

第2太陽福祉園　ホームページ
http://taiyo-fukushikai.me/publics/index/51/

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