退職金をつぎ込む
養護学校教諭の高崎明さん(60)が、今春の定年を機に、障害者が働く
パン屋を開く。障害者を経済的に助け、市民との交流の場にしたいという。退職金もつぎ込み、4月の開店に向けて準備いる。店は横浜市緑区霧が丘3丁目のグリーンタウン商店街の空き店舗を活用することにしている。
月収、約1万5千円の現実
高崎さんはマッキンリー登山のため、25歳で大手電機会社を退職し、27歳ごろ教師を志した。採用試験に合格後、30歳で
瀬谷養護学校に赴任した。30年間の養護学校経験を踏まえ今は、「ずっと障害者と一緒に生きていきたい。彼らに、単純作業ではない、ものづくりの喜びを知ってもらいたい」と語る。作業所や授産施設などで働くことが多いが、施設での平均月収はで約1万5千円。生計をたてることは事実上不可能。
最低賃金を保証したい
趣味のパンづくりなら店を開け、障害者にも無理なく働ける。雇用契約を結び、定められた最低賃金を保証すれば、1日4時間勤務でも月に6万円ぐらいになる。開店準備の費用、約2700万円は養護学校の退職金をあてる。高崎さんは「ハンディのある人が自然にいる街は、暮らす人にも居心地がいいはず。」と希望を語る。