精神障害、オープンに
一昔前であれば、精神障害を口にするのはタブーとされていた。たとえ、その疑いがあっても自分から認めることは少なく、また家族も隠そうとしたものだ。しかし、近年、自らを「そううつ病だ」と医者に出向いてくる人が後を絶たないという。日本でも五月病ならぬ新型うつ病が大流行の兆しを見せているが、世界的にも同じ現象が起こっているようだ。
英在住の心理学者ダイアナ・チャン氏は、クリニックを訪れる者の中には、自分は精神障害者だと告白し、自ら志願してそううつ病だという診断を下して欲しいという者がいるという。この奇妙な背景には、マスコミがだいだい的にこの病を報じ、経験者が語るなどして、偏見の壁を取り払ったからだと考えている。また、そううつ病だと自己申告する人は、社会的地位が高いとか聡明でまじめな人が多いという。
思い込みだけであることも
そううつ病は激しい気分のむらが特徴だが、単に感情の揺れがあるだけで、診断に来る人もいるという。そして、そううつ病だと命名されることを望むらしい。精神科医らは、この病は人間関係や仕事、社会生活に大きな影響を及ぼすもので、日常生活に支障がない場合はこの病気にはあてはまらないことを理解してほしいと述べている。
編集部 青空ひなた

Why patients are saying 'I want to be bipolar'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8609461.stm