約9割が「満足」との回答
障がい者の就労支援や子どもの教育事業などを手がける株式会社LITALICOは17日、障がい者雇用の実態調査として、同社が運営する就労支援事業所「ウイングル」を通じて障がい者雇用を行った企業や、実習先となっている企業などを中心に、障がい者雇用に関するアンケートを実施したことを明らかにし、その結果を発表した。
対象となった企業は、障がい者雇用を行っている300社。10月、雇用部署担当者にメールでアンケートを依頼し、120社から回答を得た。まず雇用の満足度として、障がい者を雇用してどう感じているか聞いたところ、「とても良かった」が45.0%、「まあまあ良かった」が46.7%、「あまり良くなかった」7.5%、「良くなかった」0.8%と、9割を超える企業が満足感を得ていることが判明した。
具体的にどのような点が良かったと感じられているかについては、「社員の障がい理解が深まった」が70社で最多、次いで「本人が期待通りの活躍をしてくれた」が44社、以下「業務が整理された」25社、「職場の雰囲気が良くなった」17社、「備品の整理整頓がされた」17社などとなった(複数回答)。障がい者雇用を通じ、職場環境の改善や、マニュアル整備等による業務環境自体への好影響も生じているようだ。
担当業務選定とフォローが課題、モチベーションの向上が継続化では重要
障がい者雇用を初めて行う際の、事前に感じられた不安点では、「職場でのコミュニケーション」を98社が選択。また「担当業務の切り出し/選定」も73社と、多くが不安に感じているポイントであることが分かった。
雇用後に感じられた課題では、「担当業務の切り出し/選定」と「面談や相談員などの本人へのフォロー/配慮」がいずれも51社でトップ。次いで「職場でのコミュニケーション」が44社となった。コミュニケーション面は、雇用後に比較的不安が解消されているケースも多いが、障がい特性に応じた業務選定では依然不安を抱えている企業が多いことがうかがえる。また、個々のフォローへの難しさを改めて感じているケースも多いことが明らかとなっている。
今後、継続して雇用する上で必要だと思うことを尋ねたところ、「モチベーションを上げる仕組み(評価方法/キャリアパス/昇給/昇格/雇用形態変更など)」が43社で最も多く、全体の約35%を占めた。LITALICOによると、今年4月にウイングルを利用して就職した精神障がい者を対象としたアンケートでも、今後会社に求めることとして「昇給」や「雇用形態の変更」をあげる声が多かったといい、企業側・障がい者側の双方でモチベーションの向上が課題となっていることが判明した。
(画像はプレスリリースより)
株式会社LITALICO プレスリリース
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