民間のノウハウを導入
盛岡市は、障害者の工賃アップを目指す「生産性向上支援事業」を展開している。民間実情を知る6人が、施設のスタッフとして作業の効率化やコスト削減を実践している。景気の影響で企業からの受託作業が減る中、多くの施設では自主商品に力を入れており、民間の視点で商品力向上につなげたい考えだ。
競争する
盛岡アビリティーセンターでは、職業指導員として雇用された吉田さん(54)は、企業の受託作業から農産物加工を核とした事業に転換を急いでいる。吉田さんは以前、堆肥製造のコンサルタントをしていた。「プロの農家と競争することを肝に銘じ、安心安全を実践したい」と意気込みを語る。
工賃を上げる
県障害者工賃倍増5か年計画では、最終年度の工賃を月2万7700円に設定しているが、08年度の盛岡の
就労継続支援B型事業所の平均工賃は月約1万1千円となっている。市障がい福祉課の菅原係長は「民間の多分野の人がノウハウを伝え、工賃の底上げにつなげたい」と述べている。