スコットランドの企業が運営資金を確保
最大60人までの自閉症スペクトラム(ASD)の人々に、イギリスのスコットランドでIT関連の研修を行うプロジェクトが、宝くじの売り上げの一部を公共のために運用する公的慈善団体「ビッグ」より約40万ポンド(約5,400万円)を寄贈されたことがわかった。
寄贈金を受けたコミュニティ・エンタープライズ・スコットランド社は、ASDの人々に雇用を斡旋するグラスゴーの非営利団体「スペシャリスターン」が主導する同プロジェクトの運営元。寄贈金は五年間にわたるプロジェクトの運営資金に充てられる。
ASDの人々に特化した集中研修
このプロジェクトは、ASDの人々をソフトウェアのテスト要員として雇用するデンマークでの実例に倣って起動したものだ。
ASDが表出するのは、ヨーロッパ全土の人口の約1%といわれている。
同社によると、プロジェクトでは六ヶ月間の集中研修を行い、働ける人材を見極めていくのだという。
プロジェクトの参加者には相場通りの給与が支払われ、整った環境で仕事を行う。
ゲリー・ヒギンズ社長は、「ASDの成人のうち、フルタイムで雇用されているのはたった13%しかいない。相場通りの給与と健常の従業員と何ら変わらない環境で、ASDの人々を雇用する新しいスタイルが、今後も社会に貢献する企業のスタイルとして継続できることを楽しみにしている」とコメントしている。
(編集部 小川優子)
IT jobs 'for people with autism'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/glasgow_and_west/8580255.stm