消防団員を対象にした派遣は全国でも初めてのケース
総務省消防庁(東京都千代田区:以下同庁)は、東日本大震災時に、身を挺して危険な任務に従事した消防団員に対して初めて、メンタルサポートを行う専門家の派遣を決めた。
家族を失い、自宅までもが・・・消防団員のストレスは想像以上に大きい
今回の震災で、岩手、宮城、福島の東北3県の消防団員の死者・行方不明者数は計249人に上り、同庁では被災地で活動した消防団員について、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの対策が必要と判断。被災地への派遣を決めるに至った。
これまで、各自治体の消防本部に所属する「消防士」(地方公務員)が対象であったが、普段は別の生業(なりわい)を持ちながら、災害発生時や防災訓練などで活動する「消防団員」を対象に実施されるのは今回が初めてのケースだ。
福知山脱線事故でも活動実績がある「緊急時メンタルサポートチーム」
今回派遣されるのは、精神科医や臨床心理士などで構成された専門家集団の「緊急時メンタルサポートチーム」。災害現場で活躍する消防職員が受ける惨事ストレスの緩和を目的に、2003年に創設されたチームだ。過去には、2005年のJR福知山線脱線事故への支援など、これまでのべ30回の事案に対して派遣実績がある。
総務省消防庁緊急時メンタルサポートチームとは?(総務省消防庁HPより)